自然保護の知識と行動

山の栄養の旅
 



 

山に降った雨は山の表面を流れたり、土の中に沁み込んだり、植物に吸い上げられたり、蒸発して空へと上って雲になります。水は山の生き物全てに惠を与えます。
山の斜面を流れる水が低いところに集まり、小さな水の流れになり小さな川となります。

山の落ち葉や木々が腐った時できる、腐葉土やそこに住む虫たち、動物の遺骸など様々なものが有機物として水に溶けて流れ込んでいきます。それを食べるいろいろな上流に住む生き物がいるのです。カスミサンショウウオ・アブラハヤ・ホトケドジョウ・モリアオガエル・ヤマアカガエル・アカガエル・ヒキガエル・などは「丹波の里山」の山裾の水溜りや山麓の小さな池に卵を産みに山からやってきます。山裾の小川を流れた水は春から夏にかけて水は水路を通って里山の近くの水田(田んぼ)に取り込まれ利用されます。
その時をチャンスとばかりに、ドジョウやメダカも田んぼやそこに通じる水路で産卵します。シュレーゲル・アマガエル・トノサマガエル・などのカエルもやってきて産卵をします。それを狙ってイモリやヘビがやってきて、卵やオタマジャクシが狙われます。生き延びたカエルたちを狙ってコサギ・ダイサギ・アオサギ・ゴイサギなどもやってきます。

山の近くの田んぼでは、田んぼから田んぼへと水は流れめぐり巡って、また川へと集まっていきます。川と田んぼの間を利用して子どもを産み育てる生き物の暮らしがあります。藻や水草がある所にはタニシやカワニナといった貝類がいてホタルも生息しています。ヤゴから成虫になったトンボたちも水溜まりを目当てに産卵にやってきます。いつも食べる、食べられるの食物連鎖があり栄養のピラミッド生態系が存在しているのです。




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高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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