自然保護の知識と行動

山の栄養の旅2  (小川から川へ、川から河へ)
 



 

川の水溜りの水をプランクトンネットですくいビンに移して持ち帰り、顕微鏡でよく見ると、ケイソウやイカダモといった植物プランクトンやミジンコやワムシ・ゾウリムシなどの動物プランクトンがいます。山から落ち葉などが流れてきて積もっていても、川にはカゲロウやトビケラやカワゲラやトンボのヤゴなどの多くの水生昆虫がすんでいます。それを食べる魚がいてまたそれを食べる生き物がいます。きれいな川には藻が普通に育ちます。

その藻がいろいろな生き物を育てます。川を遡上し、清流に住むアユも藻を食べています。藻がはえている近くには砂が溜まっているところがよく見かけられます。そんな所に貝類が住んでいます。ゲンジホタルの幼虫はカワニナを食べて大きくなります。ゲンゴロウやタガメも同じ様なところにいて魚を狙っています。タガメは自分と同じくらい大きな魚も食べます。ドンコやドジョウやフナなどあまり泳ぎが上手でない魚は流れの少ない場所を選んで生きています。

カワムツやオイカワは泳ぎが上手ですがコイやナマズやウナギなどは急流を避け、水溜りを利用して生活しています。このように川の生き物も場所を選びながら暮らしています。

そんな川の生き物にも死は訪れます。生き物の死骸はカニやザリガニなどに細かくくだかれ分解されて山の栄養と混じり上流から中流へ、そして下流へと運ばれ、水草や藻や淵の草にも栄養を与えながら海へと旅立っていきます。

自然の生態系のような、目に見えない関係を観ようとすると、多少は自然を観察する目と知識を持ち合わせていなければなりません。

小さな子どもの頃から自然と親しみ、自然感覚を鍛え、自然を読み取る力を身につけていくことが、その人のライフスタイルに大きな影響をあたえます。
自然を読み取る力ができてくると、自然と共に生きている実感と自然への興味が湧いてきて、きっと人生が楽しくなるはずですよ。




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高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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