自然保護の知識と行動

一度大きな鳥になって考える
 



 

山の栄養の旅をとおして山から海までをみてきました。
今一度、自然の循環や自然の生態系を見る見方について考えてみましょう。
想像力を働かせて大きな鳥になってみてください。猛禽類(タカ目タカ科)がいいですね。
例えばオオタカ、サシバ、イヌワシやハチクマのような大きな鳥を連想してみてください。タカたちは大空高く舞い上がり、ゆっくりと宙を舞い、停飛する、獲物を見つけるとピンポイントで、急降下して獲物を捕まえます。タカの目には森も川も見えているはずです。もっともっと高く舞い上がると海まで見えてくることでしょう。タカの獲物を狙う時の鋭く研ぎ澄まされた目を想像してみてください。自然環境を考えるとき、私たちも大空から全体を見て見定め極める、そんな目が必要だと思うのです。

私たちは、山は山のこと、川は川のこと、海は、海のこととして環境問題にしていないでしょうか。山・川・海、それぞれを部分として見る見方が間違っていると言っているのではありません。環境対策をする時には山・川・海のすべてを見渡す目も必要であると申し上げているのです。
「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」と言う言葉がありますね。つまり部分を見るミクロ的な見方と、全体を見るマクロ的な見方の両方が必要ということです。

下流の河や海で自然を守ろうと懸命に頑張っていても、山や川の上流で水が汚されると、せっかくの努力が無駄になってしまいます。
特に、生態系を考える時には自然全体をみる見方が必要で、対策は想像力を働かせ生き物と生き物のつながりをしっかり見据えて対処していくことが大切だということです。

そうした見方が出来るようになれば私たちの住む丹波市が、山と川の源流を持つ上流にあり、自分たちのことだけを考えるのではなく下流や海のことにまで気配りをし、良く考えて生活していかなければならないということが分かってきます。全ての物は太陽によって循環していて、私たち人間も自然の循環の中に暮らしているということを思い出してください。
全ての物質は薄まることはあっても消えてなくなることはない。物質は空気や水の循環によって、また植物や動物の活動(食物連鎖)によって拡散していきます。

人間の手で生き物にとって害になるものを自然の循環の中に混ぜてはいけません。
混ぜた毒は循環して、やがてブーメランのように私たち人間に戻ってくるからです。



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高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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