自然保護の知識と行動

自然保護の意識
 



 

丹波のような中山間地、つまり自然に近いところに生まれ育った人は、自然を良く知り、自然を理解し、ほっておいても自然保護に理解がある人になっていくのかというと、そうではありません。
むしろ自然とは克服するものであったり、利用するものであったり、自然を単に経済的価値だけではかる人もたくさんいるのです。
戦後の日本の経済成長は、自然を失うことと引き換えに達成されたと言っても過言ではありません。
戦後の総理大臣・閣僚をはじめ日本の政治の中心にいて指揮を執ってきた人は地方出身で、自然の中で十分遊び自然と共に育ってきた人です。
その人たちが自然破壊を気にせずに、ただひたすら経済成長優先で、現在の日本を築き上げたのです。
戦火に焼かれた日本でしたが、「国破れて山河あり、城春にして草木深し」
まだまだ自然豊かな日本でした。水は汲めどつきず、森も川も海も元気でした。
しかし,現在の日本の経済は拡大しグローバル化し国際経済の中にあって、国際収支のバランスを気にせざるをえない立場にあります。
一次産品の輸入が増え、価格が低迷し日本の一次産業である農業や林業は弱体化することになったのです。
そんな中で、日本中の農山村は自然を切り売りしていきました。全国にゴルフ場ができ、レジャー施設ができました。しかし地方は豊にはならず過疎化は止まっていません。むしろ地方と都市の格差はひろがっています。
農林業の従事者は高齢化し、放棄田が増え、植林した山が荒廃しています。
今、日本は「国栄えて、山河なし」の状態となってしまったのです。
日本の過去の政治家をみてみると、自然の中で生まれ育っただけでは、自然をかけがえのないものだと思い、自然に配慮した政治のできる政治家にはならなかったことを証明しています。むしろ破壊者になったのです。
自然保護の意識を持つためには、環境教育は欠かすことはできません。
これからは、政治家に限らず、すべての人が環境教育によって、自然とエコロジーを正しく良く理解した大人になってほしいと願っています。

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高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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