Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

知って得する『味』の話 其の一
 


Bigムンムン
 

前回、漢方薬にも使う生薬の一つの『紫蘇(しそ)』についてお話しました。今回は、いよいよ秋も本番、『実りの秋』にふさわしく食べ物の『味』について、東洋医学的な見地からお話しましょう。
『唐辛子でお口がヒリヒリ、どうしよう!!』
韓国料理や中華の四川料理などの辛味の効いたご馳走を食べ、運悪く超辛〜い唐辛子に当たって困ったことありませんか?罰ゲームで唐辛子を食べさせられた!!って言う方も中にはおられるかもしれませんね。慌てて、いくら水を飲んでも、氷で口を冷やしてもなかなか辛味のヒリヒリ感は治まりません。そんな時、レモンやお酢など酸味の強いものを口に含むと、意外と早くヒリヒリ感は消失します。韓国冷麺にキムチを入れすぎて辛くなり過ぎたとき、お酢を足すことで辛さが和らぎます。逆に酸っぱすぎるものに辛味を加えると酸っぱさも和らぎます。これは同時に毒消しにもなります。例えば、最近はやりの焼酎は辛味になりますが、それに酸味のレモンや梅干、酢橘などを入れて飲むのは、焼酎の毒消し、つまり悪酔いしないコツです。(とはいっても、飲みすぎは駄目ですよ)日本酒(辛)のおつまみには、酢の物が良いでしょう。
また、唐辛子を食べると体が温まったり、時には発汗したりしますね。辛味には温める温(おん)の働きや、汗を発散する散(さん)の働きなどがあります。ですから新陳代謝を活発にして良いのですが、身体に炎症性の疾患、例えばアトピー性皮膚炎やイボ痔(内核痔・外核痔)・膵炎などがある場合は炎症傾向を助長し症状を悪化させる場合がありますので、そういう病をお持ちの方は『辛味』には注意が必要です。
唐辛子を例に取り『辛味』についてお話しましたが、東洋医学では、食べ物や生薬の味を酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛(からい)・鹹(かん・しょっぱい)の『五味』にわけそれぞれその味の持つ働きについて論じています。それぞれの味にはそれぞれの決まった働きがあります。スイカ(甘味)に食塩(鹹味)をつけて食べるとより甘さが増すのは、よくご存知だと思います。これにもちゃんとした理屈・理論があるのです。この理論をマスターすれば、料理の味付けに失敗した時のリカバリーや、素材をより美味しくいただくのに役立つほか、健康維持や増進、病気のときの食事なんかに応用し大変便利です。
養生論はもちろん、漢方薬も五味は重要な要素です。最近の漢方薬ブームで似非漢方家が『この漢方薬は従来の苦味をなくして飲み易くしました。』などといっていますが、これは漢方理論の根本を無視した全くナンセンスな話です。『味』は漢方薬の命ともいえる薬効における最も重要なファクターで、『味』を変えてしまえばそれは全く違うものになってしまっていることになります。
これから6回に分けてそれぞれの『味』について連載していきますのでお楽しみに

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