Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

知って得する『味』の話 其の六
 


Bigムンムン
 

前回、甘い味『甘味』とその味に関係する『脾(ひ)』についてのお話をしました。今回は『味』についての最終回、辛い味『辛味』と関係する『肺』についてお話します。
『辛味』は、発散し温めます。
『辛味』のお話は以前にも何度かしていますね。代表としては唐辛子があります。料理では皆さん良くご存知の韓国料理のキムチや中華料理の四川料理、その中でも麻婆豆腐が有名で唐辛子と花椒(かしょう)といって中国山椒がたっぷりはいって独特のクセになる辛さです。また、毛沢東の出身地である湖南料理も『辛味』を効かした料理で中華四大料理(北京・上海・四川・広東)からは外れていますがまた美味しい料理です。インド料理の代表カレーも日本人の大好きな辛味料理の一つですね。激辛カレーや激辛ラーメンを食べて、汗を顔から頭からいっぱいかいてる姿を見ますね。辛味には温める働きと発散する働きがあり、味(五味)の薬効をお話しするときにはわかり易いので良く引き合いに出されます。逆に日本料理は、特に『辛味』を効かせた料理があまりありません。日本人は一般に昔から日常的に辛味を取っていませんので、辛味料理が続くと下痢を起こしてしまいます。これは、体が慣れていないので軽い膵炎を起こしてしまった結果と考えられます。『辛味』の食べ物に属するものとしては、ネギ類、ニラ類、わさび、香辛料があり、酒類もこの類に属します。また、芳香の紫蘇や薄荷もそうです。
『辛味』と『肺』・『肺』は皮毛を主り、鼻に開窮する
『辛味』と関係の深い臓腑に『肺』があります。東洋医学でいう『肺』は、西洋医学で言う『肺臓』とほぼ同じ概念です。肺臓の呼吸機能・体液代謝の一部・体温調節・免疫能の一部などを含めた機能系を指します。肺の文字の『市』は物々交換の囲みであり、体の内と外との交換・酸素と二酸化炭素の交換、即ち呼吸を表しています。昔の人はよく分かって文字を考えたのだなぁと感心させられます。『肺』に関係の深いところとして皮膚表面である皮毛(発汗の調整など)があります。激辛を食べると発汗はこの関係です。また、肺の状態は『鼻』に現れます。肺気が失調すると、臭覚が低下したり、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどの症状がみられます。花粉症や鼻炎の時、辛い飴(ミントの効いたの)を舐めると鼻が通ったりするのは『辛味』が『肺』に作用するからです。
『辛味』の代表・シナモン(桂皮)には『辛い』広南桂枝と甘いベトナム桂皮とあります。風邪の時など汗をかかせる『散』に使う『辛味』のシナモンなのか、腹痛の時、内臓を緩める『緩』に使う『甘味』のシナモンかで本来は使い分けます。このような理論に基づく「職人技」を使うプロの漢方家が少なくなったのは誠に残念です。・・・と最後に『辛口』で業界の反省を…。

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