Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

お米『粳米』も漢方薬として使います
 


Bigムンムン
 

前回は、カキの貝殻『牡蠣(ボレイ)』を取り上げ、ご紹介しました。今回は非常に身近なお米、すなわちうるち米、生薬名は『粳米(こうべい)』の薬としての紹介をします。

お米は元氣の源

お米の原産地は、インド北部から中国の雲南あたりで、世界中で食用として広く栽培されています。イネ科のイネの穀粒(種仁)、うるち米の玄米のまま薬用として用います。玄米食に関しては、バックナンバーの『第9話 生活に身近な食養生2』に詳しく記載させていただきましたので、ここでは生薬としてのお米『粳米』の話を中心にします。
稲作の歴史は古く、日本でも縄文時代の晩期には九州で行われていたようです。コメには二種類あって粘性によりうるち米の『粳米』ともち米の『糯米(だべい)』に区別されます。これはデンプンの中のアミロースとアミロペクチンの割合が違うためで、うるち米はアミロースを20%ほど含みますが、もち米はほとんどがアミロペクチンです。外観からもうるち米は半透明なのに対し、もち米は乳白色ですよね。
漢方では『粳米』は補気・健脾・止渇の効能があり、平たく言えば、胃腸を整え、元気をつけ、口渇や下痢などに用います。元気、気力の『気』の文字は、もともと『氣』と書き『气』は雲の流れる形で雲気をいい、『气』は生命の源泉、おおもととされ、米はその気を養うもとであるというので『气』に『米』を加えて『氣』になったとされています。
『米を食べないと、元気が出ない』と大きなおにぎりをほうばる山下清画伯の姿は、テレビのドラマ上の演出でしょうが、その通りなのだと思います。

子宮筋腫や癌にもち米は要注意

昔から出物、腫れ物のときや、目にものもらいが出来た時など、もちを食べると大きくなるから控えるようにと言われてきました。確かに経験上、もちを食べるとものもらいや筋腫や癌が大きくなるように思います。これは、もち米は非常に栄養価が高く、元気が付き、新生血管が出来易いためだと思います。(CEAの数値が上昇)
お祝いの席で、赤飯やもちがよく振舞われます。お祝い事があるということは、それまで苦労し、少なからず疲労しているその労をねぎらい栄養価の高いもち米を使うのだと思います。それくらいもち米は精がつくのだということです。筋腫や癌の患者さんに、元気をつけようと朝鮮人参やもち米など補気剤を飲ませると一時的には元気になるけれど、反って進行を早めてしまうことがあるので注意が必要です。うるち米で出来た透明の醗酵した液体も、ある意味ガソリンのように元気が出ますが、病気のときは控えてくださいね。

 


トップへ

B&O薬局
丹波市市島町上田


私たちは、たんばぐみの活動を応援しています。

 
 
 
 
             
 
Copyright © 2004-2006 by Tambagumi All rights reserved.