Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

 
丹波の黒豆も漢方薬の生薬名『黒豆(コクズ)』として漢方薬に使います
 


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前回は、日本人に好まれるシソ『蘇葉(ソヨウ)』を漢方薬として取り上げ、ご紹介しました。今回は、丹波といえば黒豆、黒豆といえば丹波といわれるほど有名かつ身近な『黒豆(コクズ)』についてお話します。

「黒豆を黒船で…!!」

  黒豆(大豆)の原産地は中国で約5000年前から栽培されていたといいます。マメ科の1年草で栽培品種の黒豆の種子を用います。普通、大豆といえば黄大豆のことですが、薬用には黒大豆が珍重されます。日本でも紀元前2000年ごろより食用にされていたと推定されています。現在、世界一の生産量を誇るのはアメリカで、かのペリー提督が黒船で持ち帰ったのが始まりとか…。他にもペリーは多種の種子や植物を持ち帰っています。この頃から既に、アメリカの食糧戦略は始まっていた?のでしょう。

人気漫画『美味しいんぼ』の「ビールと枝豆」で超有名に

丹波の黒豆は、大変品質がよく、お正月のおせち料理には一年をまめに暮らせるようにと縁起物の煮豆として欠かせない一品です。が、この年に一度が、ビールのあてに枝豆としてコミックの『美味しんぼ』で紹介されるや爆発的な人気で、丹波産と偽り生産量以上の販売量と偽物まで出る始末。ビールのあてが当てにならない話になってしまいました。

薬理作用は補虚養血つまり滋養作用

  近年、黒い種皮にアントシアニン系の色素を含むため血液をサラサラにするのに良いとかひいては高血圧によいとか注目を集めています。漢方でも黒豆は活血・利水・去風・解毒の効果があるとされ、種皮の『黒大豆皮(くろだいずひ)・黒豆衣(こくずい)』は滋養(補血)作用があり、体力が弱って盗汗(ねあせ)や眩暈(めまい)、頭痛などに用います。また、解毒、利水として烏頭(うず・トリカブト)などの中毒に用いたりもします。

父の突発性・麻痺性外斜視

  2005年1月5日のことです。私の父(当時78歳)が朝、廊下の壁をつたいながら歩いてきます。何事かと尋ねると、廊下が二重に交差して見え、真っ直ぐに歩くことが出来ないと言います。顔を覗き込むと、なんと右目だけが外側へ斜視になっていました。いわゆる「ロンパリ」です。いや、ロンドン・モスクワぐらい右端へ眼球が寄ってしまっていました。精密検査の結果、脳には異常なく原因がわかりません。これは漢方の領域と思い、漢方薬で治療することにしました。父は、数日前から寝汗をかいたり、正月で食べ過ぎたりしていたので「虚労諸不足、風気百疾、薯蕷丸(しょよがん)主之」として、大豆黄巻(だいずおうけん(黒豆のモヤシ)と薯蕷(しょよ=山芋)など22種の生薬が含まれる薯蕷丸(しょよが

 


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