Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

 
山の芋も漢方薬の生薬名『山薬(サンヤク)』として漢方薬に使います
 


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前回は、丹波といえば黒豆、黒豆といえば丹波といわれるほど有名で身近な黒豆を『黒豆 (コクズ)』として漢方薬の立場から取り上げ、ご紹介しました。今回は、これも丹波の名物、山の芋、生薬名『山薬(サンヤク)』についてお話します。

『山薬』は別名、自然生(ジネンジョウ)、薯蕷(ショヨ)とも言います

  山薬として漢方薬で一般的に使われているのは、ヤマイモ科のつる性多年草、日本薯蕷または中国中南部原産のナガイモの塊状根茎を乾燥したものです。八百屋さんや食料品店でよく見かける長い芋を指します。丹波の山の芋はツクネイモ群の「大和イモ黒皮種」に分類され、栽培されていますが、私はむしろこの丹波の山の芋のほうが一般的な山薬よりも薬効としては強く、そして良質であると思っています。生薬の鑑定で山薬の見分け方の一つに、できるだけ白いもの、きめの細かいものが上質とされています。丹波の山の芋はそのごつごつした外見と違い肉質は純白できめが細かいのが特徴で、何よりすりおろした時のあの粘りけは半端でなくそれ自体にパワーを感じます。

胃腸の弱い方に 

  ナガイモは古くは薯蕷といわれ、それを使った薯蕷丸の漢方の不思議で凄い効果として『突発性・麻痺性外斜視』について前で号述べました。成分は多量のデンプンとたんぱく質ミニーシン(粘液質)を含み、この粘液質が丹波の山の芋ではナガイモの4倍もあります。他に糖質やアミノ酸、グルコサミンなどが含まれます。慢性的な消化不良で食欲不振・下痢が続くときに朝鮮人参・白朮(ビャクジュツ)などと配合して使います。山薬が含有するアミラーゼの効果であると思われるのであまり長く煎じると効力がなくなります。ですから食事としてはすりおろして食べるのが良いでしょう。ただし、炎症性の下痢には用いてはいけません。

滋養強壮に

  体力の低下や老化による症状にも効果があります。高齢者で倦怠感、頻尿、夜間尿などのときは熟地黄、山茱萸(サンシュユ)などの生薬を加えた、有名な漢方薬の八味丸があります。また、糖尿病などで口が渇く口渇などの症状がある場合などにも麦門冬(バクモンドウ)、黄耆(オウギ)などと配合し使います。粘るものは滋養する働き、潤す働きがあるので、乾いた咳が出る時も、食用すれば良いでしょう。山の芋や黒豆に限らず丹波で出来る農作物、食材は他の産地のものに比べほとんどがつよいパワーを持っているように思うのは、地元の贔屓目でしょうか…?!


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