日本六古窯の一つに数えられている「丹波焼」は、「立杭焼」ともよばれ、平安末期から鎌倉時代初期に発祥したといわれています。
窯が開かれて800年以上と長きににわたり、黙々と伝統ある技術が絶えることなく受け継がれ、代々続いている窯元や、新しく独立された陶芸家など、現在67軒の窯元が伝統技法を生かした「アート作品」や「生活雑器」など、幅広い作品が作られています。
この丹波焼に憧れ、この地で修行を重ね、この地で2006年に独立された、「信凛窯」仲岡信人さんにお話をお聞きしました。
■独立までのみ道のり
高校生の頃から、将来はもの作りの仕事に就きたいと強い思いがあったことから高校卒業後、丹波の陶芸家を通じ、丹波焼の「末晴窯」西端正氏と出会うことができた。
この西端氏のもと6年間丹波焼を学ぶ、その間倫理を学ぶため1年間京都市工業試験場陶磁器科入所する。
又、青年海外協力隊員として「セントビンセント」で2年間陶芸指導にあたる。
任期終了後帰国して、陶芸家としての独立の第一歩、場所探しに懸命となる、そんな中、運良く不動産業者の紹介を受け、今の物件と巡り会うことが出来た。
築不詳の茅葺き古民家を左官職人の手助けを得ながら、自力で古民家を生かしたギャラリーに改築した。
多くの方にお世話になり、西端氏に師事してから11年目で独立することが出来た。
■地域・自治会のこと
地元の末晴窯に6年間お世話になっていたことで、地域の行事やルールも肌で感じていたので、特に違和感なく地域に入って行けた。
今では、自治会の体育委員や地元消防団員として務め、地域の一員として積極的に地域活動に参加している。
■現在のライフスタイル
工房・ギャラリー・居宅が同じ場所での活動環境にあり、作品の製作・販売、自治会活動、子育てと多忙な日々の中、若手作家などによる展覧会も年に5回から10回行ってきた。
このようなことから、定休日は不定としている。営業時間は10:00〜18:00頃。
■よかったこと・困ったこと
生まれは大阪ですが、中学生の頃はとなり街の三田市に住んでいたことから、地理的に今田町や田舎特有のほんのりとした雰囲気は知っていた。
独立したこの地域は、阪神間から適度な距離感で交通網も便利な中、田舎暮らしも十分に味わえる、地域の方も親切で暖かく受け入れて頂き、大変居心地のよい環境にある。
又、仕事も仲間に恵まれ展覧会を行うなど楽しくやっている、今のところ特に困ったと思ったことはない。
■移住を考えている方へのアドバイス
何処の地域でも、地域に入れば地域の決まり事や役割がある、地域活動のへの参加や近所付き合いも大切なコミュニケーションである。
こうしたことも理解されておかれた方がよいと思います。
■最後に・・・・
毎年10月の第3土曜日、日曜日に「陶器まつり」が開催され、車が動けないほど多くの方にお越し頂き、大きなイベントとして年々賑わいが増し注目されている。
歴史ある丹波焼の技法と土を使って、伝統を生かしながら普段の生活スタイルになじみ、少しでも豊かになれる、そんな作品が出来ればと日々仕事に取り組んでいる。
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