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《文章・写真》 一級建築士 才本謙二先生

たんばに住もう・たんばで暮らそう

2 杉塀の家

 

 

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 篠山の玄関あたる旧丹南町杉に「杉塀の家」があります。篠山は、昨年重伝建地区に指定されるなど、古い街並みが数多く残る町ですが、昨今駅・インター付近に利便性から、戸建て住宅やマンションのミニ開発が進んでいます。画一的な表情の家に対し、地域材(木・土)を使用しながら、「篠山らしさ」を表出した家ができないかという思いの中で、「杉塀の家」が生まれました。「篠山らしさ」を表出することは只単に形式を継承することではありません。

 たんばの伝統的間取りを現代風にアレンジし、伝統的暮らしを今のライフスタイルに合った生かし方ができる家の提案となりました。

 敷地内同居することになった若夫婦。開放的で健康的な家を望んでいました。限られた敷地の中で、親を気遣い迷惑を掛けず暮らす方法を考える今時珍しい若夫婦でしたが、そこは若い二人、おしゃれに敏感な一面も兼ね備え、ヴァナキュラーな材で手作りする「おしゃれ」も心得ていて、立体四つ間取りの古風さを咀嚼する柔軟さが、何とも眩しく感じました。自然に肩肘張らずに暮らす彼らには、自然体の家が良く似合います。

 スキッププランの開放的な住空間は、四つ間取りを立体的に表現したもので、家の中央を、「土間(にわ)」のイメージとしています。「土間」で家事をするお母さんの存在が、ご飯の炊ける匂いやまな板をたたく包丁の音と共に、家中に広がります。前栽に面する「御上(おえ)」と、大きな階段や上段の間は、儀式の場としての「座敷」で、立体的なパーティ会場となります。二階も「土間」と吹き抜けで繋がり、間仕切りのない「ナンド」(子供部屋)と「オクナンド」(寝室になっています)があります。「土間」「御上」「座敷」「ナンド」「オクナンド」で構成される四つ間取りの変幻自在さを踏襲したのが「杉塀の家」の特徴です。

 伝統的間取りの家は、家族の流れや出会いを生み、気持ちを繋げます。よどみは、家族の活性を阻害するものだと思います。気遣い、思いやりがあってこその家族だと思います。

 

 

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