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《文章・写真》 一級建築士 才本謙二先生

たんばに住もう・たんばで暮らそう

3 雀庵 家の遺伝子を引き継ぐ

 

 

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 太古より突然変異で異質なものが生まれることがあっても、地球上に存在しないものが忽然と現れることはありません。万物起源があって、進化の過程で変異、融合、拡散、消滅を繰り返した結果、物質が存在するのは周知の事実です。

 建築行為は、大なり小なり破壊を生みます。

 特に、日本の建築はスクラップ・ビルドの世界です。起因として考えられることは、日本家屋のストラクチャーが、木造であることが挙げられると思います。それでも、30年程前は、傷めば補修し、止む無く解体する時は、部材を再利用するなど物を大事にしました。
   
 昨今、家屋は家電並に、修理せずいきなり解体処分して購入(建てる)するという大量生産大量消費型となってきました。「修理より建て直した方が安くて快適だ」という話をよく耳にしますが、胡散臭く何か裏があるように思えてなりません。資源も景観もみんなの財産です。個レベルで考えるなら、他人が散財している様に出くわしても意にも留めませんが、グローバルに考えた場合、他人事には思えないのです。

 と言いつつ、雀庵もご多分に漏れず、新しい離れ(といっても30年以上経っている)を残し、主屋を解体して立て替えることになりました。長年住み続けた家に対する思いと、快適なライフスタイルへの憧れが家族の葛藤でした。そんな時、私は打開策として必ずやることがあります。家の遺伝子を新しい家に移すことです。

 家の遺伝子は、家族の思いを形として残すことになります。多く残せれば、資源の再利用にも繋がり、大量生産大量消費型に対抗し貢献できると声高らかに語っていますが、実は破壊を続けている自分への言い訳の何物でもありません。主屋を残すことに何故もっと精力を傾けなかったのか等々と反省をしつつ、スクラップ・ビルドのバランスと意味づけは、決して忘れてはならないと肝に銘じています。

 

 

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