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《文章・写真》 一級建築士 才本謙二先生

たんばに住もう・たんばで暮らそう

9 篠山市営福住本陣団地

 

 

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 篠山で市営住宅を設計しました。住宅は、一般的に専用住宅と共同住宅(所謂マンションやアパート)に大別されます。双方は、建築基準法上の制約も大きく異なります。共同住宅の場合は、不特定多数が一棟に住む訳ですから、防災に関しての規制が厳しくなります。公営住宅は、戸建タイプもありますが、概ね共同建てが多く、理由はやはり土地の有効利用やコスト的な要因で、採用されているようです。

 専用住宅と共同住宅では、設計の進め方も全く異なります。専用住宅は、特定の依頼者から注文を請け、打ち合わせしながら依頼者の意向に沿った住まいを創り上げていきます。共同住宅では、前述したとおり経済性を追求して計画していきますから、コーポラティブ方式でない限り、そこには特定の住まい手が存在せず、想像しながら創り上げていくことになります。ただ、経済性だけを追求していると、一番大事な住まい手のことも忘れて計画が進む場合があります。(姉歯偽装は、その典型ではないでしょうか)無国籍の無表情な血の通わない建物が出来上がってしまうわけです。

 篠山市営福住本陣団地は、地域性を一番に考えました。まずは、周辺の住民の皆さんに、すんなりと受け入れられる景観にマッチした団地であること。また、新住民の皆さんが、地域に溶け込み好意を持つよう、自分の住まいに誇りが持てる団地であることをコンセプトに計画しました。

 宿場町の面影が色濃く残る地に、篠山の木材を使い、篠山の土を使って、軒の高さやデザインボキャブラリーを周囲から得て、20戸の団地としてまとめました。棟の重なりやスカイラインを意識しつつ周囲の建物とも馴染む様にデザインしました。

 公営住宅の場合、一棟一棟は、よくデザインされていても、同じ建物が羅列されることで、周辺から浮いてしまっているケースが見受けられます。浮いていると意識することが、新旧住民同士まさに「水と油」の関係になりはしないかと心配してしまいます。今時流行らないかも知れませんが、仲良しはペアールックがいいのではないでしょうか。

 

 

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