今回、丹波包丁日記に書くにあたり、過去のデータを調べていたら、丹波の秋の食材は、以前、新聞に連載していたころにほとんど紹介していた。さて、どうしようと思っていて裏庭を見ていたら柿の木に青柿がたくさん実っていた。普通は観賞用の庭に柿などは植えないものだが、10年前に県外から帰ってきて家業を継いだときに、長男が、自分が食べた柿の種を庭の隅に面白半分で植えた。それが大きく育って数年前から実をつけるようになった。赤く色づいても、渋くて食えない柿だが、私にとってこの柿の木は、いわば店と長男の歴史なのである。
さて、柿という果実、普通家庭では、皮を剥いてそのまま食べるか干し柿にするか、料理と云っても柿膾が関の山ではないだろいうか。ところが料理屋では、柿の風呂吹き、酢の物、はては柿羊羹や柿味噌などもつくる。確かに他の食材と比べれば用途が狭いかもしれないが、多様な形、奥深いその味わいと色、山里にあって家庭の食卓に鎮座していても、ゆるぎない存在感を示すのが柿だ。秋の丹波の風景から赤く実る柿を取ってしまえば、それは殺風景な余韻のないものとなるでしょうか。床に置いても風情があるし、食べて美味しい柿は秋の日本にはなくてはならないものだと思う。
丹波の源風景と切っても切れない柿を活用して、丹波ブランドとして今までにない商品を開発してはどうだろうか。やり方次第で柿ワイン、柿焼酎、柿羊羹、柿味噌・柿ジャム、柿酢などは、案外早く起動に乗せられるのではないでしょうか。
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