続 丹波包丁日記
〜 丹波の天然すっぽん 〜


 

 

 


写真・文章

丹波市山南町にある日本料理・スッポン料理の
お店「茶寮ひさご」店主 真鍋馨様ご提供

 

 すっぽんのことを関西では、「まる」と呼ぶ。だからすっぽん料理は「まる料理」なのだ。すっぽん料理は高級料理のひとつに挙げられるが、ここ山南町は、古来より数少ない天然すっぽんの産地として知られている。

 天然のすっぽんは、その年により取れる時期や量にばらつきがあるが、昨年は豊漁であった。これは近年、河川の環境が回復したのと、すっぽんが本来南方系の亀であることから、猛暑の年は、より活動が活発になるためと思われる。今年も春に入ってから、大物が続いて釣り上げられて当店に持ち込まれている。

 すっぽん料理をゲテモノ料理と勘違いされている人も多いが、これは大きな間違いである。和食はもちろんのこと、フレンチ、中華いずれもすっぽん料理は、高級な食材として位置づけされている。また、すっぽんは、非常に栄養価の高い食品で、各種ビタミンやリノール酸を多く含み、消化吸収に優れている。それとコラーゲンを多く含んでいるので美容にも良いと、このところ女性の方にも人気があり喜ばれている。

 「すっぽんの味は?」と聞かれても、答えるのに苦労する。これは、一度食べてもらうしかない。和食は、定番のまる鍋と雑炊。フレンチでは、最高級のコンソメに、宮中の晩餐会のメニューにも、すっぽんのコンソメスープが出ることがある。中華では、姿煮や高級スープに用いられる。肉そのものの感触は、魚よりも鶏肉に近いかもしれない。すっぽんならではのコラーゲンをたっぷり含んだ、ゼラチン質の皮の部分は、ふぐやアンコウの皮の部分に似ている。食感でいえば、一番すっぽんらしい部分といえる。天然のすっぽんは、濃いうまみと弾力のある肉質、琥珀色の澄んだスープなど、天然ならではの美味しさを兼ね備えている。一度食べたら絶対に病みつきになる味だ。

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