節分に焼いた鰯(イワシ)の頭に柊の葉を刺して門や軒先に吊るし、邪気を払う風習がある。鬼は柊の鋭い棘と鰯の匂いが苦手らしい。
この時季の鰯は、身がよく締まり脂もよく乗って非常に美味。また、海水の温度が低く、海も澱みがなくてきれいなので、鰯のクセも少ない。
鰯は、大別すると「真鰯」(マイワシ)、「カタクチ鰯」、「ウルメ鰯」などがあるが、カタクチ鰯は主に煮干しに加工され、ウルメ鰯は丸干しと呼ぶ干物に利用されることが多い。今回使用するのは一般に「イワシ」と呼ぶ真鰯の方。
真鰯でも、大きさにより「大羽」「中羽」「小羽」に分ける。縁起を担いで節分に食べる鰯の塩焼きは、大きい部類の大羽鰯を使用する。
うちでよくする鰯料理は、「卯の花添え」、「黄身寿司」「照焼」「梅煮」、「金太郎寿司」など。今回は紅梅煮と金太郎寿司を紹介する。
いずれの料理も新鮮な鰯を使用。頭と腹を落として内蔵を流水できれいに洗ってから笊に上げる。寿司にする方は、背中を切り離さずに中骨を切落とし、腹骨をすいて一塩してザルに上げておく。塩が全体に回れば鰯を洗って甘酢に漬けてから、梅肉で合した酢飯で握って出来上がり。仕上げにツメを一刷毛塗るとよい。
梅煮は、水洗いした鰯を一度湯がいて、梅干と刻み生姜を入れて酒、砂糖、濃口醤油でコトコトとじっくり煮る。骨まで柔らかくなれば出来上がり。作り置きしておけば、酒の肴やおかずにも重宝する。お茶漬けも風味があり乙で美味い。栄養価も高く、DHAなどの不飽和脂肪酸を多く含み、脳卒中や動脈硬化の予防にもよい。市販の加工食品もお手軽で結構だが、是非一度ご自分で鰯料理に挑戦していただきたい。手で割いた鰯の天ぷらやフライでも出来たてを食せば最高に美味い。ビールも進むことだろう。
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